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  • ishidamichiyuki

No.3 森と雨の話

これからボクが撮影を通して見てきた森から想像し考え学んだことを書いていきます。自然がすべてつながっているのと同様にボクが言いたいこともすべてつながっています。だからダラダラと取り止めのない話になると思います。世間で言われていることとは全く違うことも多いですが、関心を持ってくれたなら、そういう考えもあるのかってくらいの気持ちで自分の目で森を見て感じてください。もちろん退屈しないように写真も交えていきます。


日常生活において、みなさんは雨の強さを何で感じるでしょうか?

           

家の屋根を叩く雨音、クルマのボンネットやフロントガラスを叩く音、アスファルトやコンクリートに叩きつけられる音… そう、ほとんどの場合、人は雨が人工物に当たる音でその強さを感じます。加えて雨樋や側溝から溢れる視覚的な情報に時には恐怖さえ感じることでしょう。


葉が茂ればわかりにくいが芽吹の季節に 見上げればハッキリと林冠のようすが見える



成熟した森では、樹高の高さで葉が空を覆うように広がり林冠と呼ばれる屋根を形成します。雨は葉から小枝そして幹へと伝わり樹幹流と呼ばれる流れとなり落ち葉が堆積したフカフカの林床へと染み込んでいきます。雨粒が直接叩きつけることがないためとても静かです。大地を削り土壌を流出させることもありません。降りはじめの頃なら傘がなくてもほとんど濡れないほどです。そして染み込んだ雨水はゆっくりと根を伝って地中の帯水層と呼ばれる層に届き、次に湧水として地表に出るまでの間、長年にわたる生き物の営みによって堆積した有機の大地で涵養されます。雨は森の樹々を介して地中に蓄えられてはじめて命の水となって大地を潤し、生き物たちに恵みを与えます。どんなに降水量が多くても山のない海抜ゼロの島々は慢性的な水不足だし、山頂直下の山小屋にも水はありません。


街中に降ったなら外に出ることも躊躇する激しい雨でも森は静かです。

不思議な安堵感とともに人が森に守られていることを感じます。

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