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  • 石田道行

横内勝司のカメラ


横内勝司が使っていたカメラ。カビネ版と手札版の2台を使用したが、これはその手札版のもの。ドイツ製でツァイスのレンズが付いている。相当高価なもので、東京郊外あたりで小さな家が買えたくらいだという。もっともこれは当時、米国のイーストマンコダック社が日本で主催した世界写真競技大会で一等賞を獲った時の副賞でもらったという。その時の賞金は弐佰圓也。ちなみに当時の物価はというと、豆腐一丁5銭 日雇い労働者の日当が30銭 大工の日当が2円 警察官の月給が40円。弐佰圓也はスゴイ!

コダック社主催のコンテストの賞品がなぜドイツ製なのか?

日本でのフィルムの普及が主な目的だと言うが、なぜガラス乾板なのか?

疑問は残るがそのあたりのことはまた今度にして、デジカメ世代の人たちには、これで写真を撮るということがどれほど大変かを知ってほしい。

もちろん露出計などなく、ピントは蛇腹を繰り出して手動で調節する。ファインダーはなく背面のピントグラスで像を確認するのだが、像は倒立で、屋外では黒色の布を被らなければ良く見えない。とにかく今のカメラのファインダーや液晶画面とはまるで違う。このカメラのバックに乾板をセットするわけだが、厚さ3mmくらいの薄いガラス板に感光剤を塗ったもので、少し前までみんな使ってたフィルムのベースがガラスだと思えばいい。もちろん重いし、ガラスなので割れる。そして乾板をセットしたらそれ以降はもう像は見えない。とてもスナップが撮れるカメラではないのだ。このカメラであの躍動感あふれる子供たちを、そして300メートルの山々へ…もう凄いとしか言いようがない。


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